掲示板サイトを見ると色々な意見が挙がっていて、実際どれが正しいのかわかりません。
「気が向いた時にやる」ではダメなのですか・・・?
季節ごとのベストな時間帯を覚えておくと、より効率良くきれいに洗車できますよ。
というわけで今回は、季節別の洗車にオススメの時間帯とその理由を詳しく解説します!
洗車は時間帯が重要ってホント?
冒頭でも触れたとおり、きれいに洗車をするためには、季節ごとに最適な時間帯を選ぶことが大切です。
車関連の掲示板サイトなどを見ると、
- 「水が早く乾くから日中がいい」
- 「早朝は周りに人がいなくてやりやすい」
- 「涼しくなる夕方がオススメ」
などなど、洗車する時間帯については実に様々なコメントが飛び交っていますが、実際は自分が「洗車しよう!」と思い立ったタイミングでするという人がもっとも多いのではないでしょうか。よく晴れて気持ちのいい日なんかは朝から洗車日和だと感じますし、愛車が汚れてくれば天候や時間帯に関係なく洗車したいと思うものです。
確かに洗車はその時のノリや勢いも大切です。しかし、洗車には不向きな時間帯になってから車を洗い始めると、スムーズに作業が進まなかったり、仕上がりがイマイチだったり、最悪の場合は大事な愛車のボディにダメージを与えてしまうことも。これではせっかくのテンションも台無しですね・・・。
そんなことにならないためには、洗車するのにベストな時間帯を季節ごとに把握しておくこと。車好きなら、その理由もあわせてしっかり理解しておきましょう!
【季節別】洗車に最も適した時間帯は?
ここからは、車好きならおさえておくべき「洗車にもっとも適した時間帯」を季節ごとに解説していきます。
なぜその時間帯に洗車するのがいいのか、理由についてもそれぞれ詳しくご説明しますので、洗車のタイミングに悩んだ時はぜひ参考にしてくださいね。
早朝6時~8時ころ(夏場)
夏場の洗車は「朝6時から8時」がベストタイム。その理由は2つあります。
- 熱中症予防
- イオンデポジットができるのを防ぐ
近年は”異常気象”と言われるほど夏の気温が上昇しており、地域によっては最高気温が35度以上になる猛暑日も珍しくなくなりました。
そこまで暑い日でなくても、夏場の日中は気温がぐんぐん上昇し、じっとしていても汗がにじみ出てくるほど。このように高温下で発汗量が増えると、熱中症にかかるリスクが一気に跳ね上がります。
最近は幅広い世代で熱中症予防への意識が高まりつつありますが、普段どんなに熱中症に気をつけていたとしても、洗車中は大事な愛車の汚れを落とすことに集中するがあまり、休憩や水分の摂取がおろそかになりがちです。
「洗車中なんだから、いざとなれば冷たい水があるから大丈夫!」なんて思うかもしれませんが、現実はそう甘くはありません。事実、夏の日中に洗車をしていて熱中症で病院に搬送される人は、毎年必ずと言っていいほどいるのです。
太陽が完全に昇る前の6時から8時の間であれば、気温も日中ほど高くなく、熱中症のリスクを抑えて快適に洗車ができるでしょう。これより早い時間だとまだ少し暗く、汚れを見落としてしまう可能性があります。
また、炎天下で洗車をすると、ボディにかけた水分がすぐに蒸発してしまいます。
洗車をする時は、まず車に水をかけてホコリや汚れを洗い流しますね。この水分を利用してボディを磨き上げていくわけですが、この水が日光によって蒸発してしまうと、付着した汚れをスポンジでボディに擦り付けることになってしまい、細かい傷がたくさんできてしまうのです。
洗い終わった後も拭き上げする前に水分が蒸発してしまうため、ボディに「イオンデポジット」と呼ばれる水滴の跡が残ってしまいます。 一度ついたイオンデポジットは、ちょっとやそっとでは落ちません。
このような理由により、夏場の洗車は朝6時から8時が最適な時間帯だと言えるのです。
午後3時~4時ころ(春・秋)
春・秋の洗車は、午後3時~4時頃に行うのがオススメです。
気温が安定しにくい春・秋は、それよりも早いお昼過ぎくらいの時間だと、日によっては気温が高いことも。さすがに真夏のような酷暑になることはほぼありませんが、やはり気温が高いと夏同様に水分の蒸発が早く、ボディの傷やイオンデポジットができやすくなってしまいます。
また、ワックスがけをする場合に、ボディの温度が高い状態だと皮膜が均等に伸びずムラができやすいことからも、日中の洗車は不向きと言えるでしょう。
一方、それよりも遅い夕方の時間になると、今度は気温が急に下がって肌寒く感じたりしますが、この寒暖差は意外と体にダメージを与えます。日が沈んで暗くなるのも早いので、洗車していても汚れが見えにくく、ストレスを感じてしまうかもしれません。
また、春・秋の洗車のタイミングは、風の有無も重要なポイントです。この時期は「春疾風」や「野分」といった季節特有の強い風が吹く日があり、車のボディには風に舞い上がったホコリが大量に付着します。
その状態でボディをきれいにしようとスポンジで擦ったり布で拭いたりすると、細かい傷がついてかえって美観を損ねてしまうのです。洗車したいと思った時は、一度外に出て風の強さをチェックしてみましょう。
午前中(厳冬期)
厳冬期の洗車にもっとも適した時間帯は午前中です。
ただ、地域によっては気温が氷点下を下回り、水で濡らしたところが凍ってしまうこともあるので、少し気温が上がるお昼近い時間のほうが良いかもしれませんね。水分の拭き残しによる凍結対策として、水切りワイパーや吸水性の高い洗車クロスなども用意しておきたいところです。
洗車後に風邪をひかないよう、作業の際には発熱素材のインナーやゴム手袋を着用するなど、防寒対策をするのも忘れずに。体を温かくしておけば、寒さで心が折れて洗車が中途半端で終わってしまった・・・なんてことも避けられるでしょう。体を動かしているうちに汗をかくこともあるので、汗取り用のタオルも用意しておくと完璧です。
水の冷たさが気になる場合は、温水を使用しても構いません。温水を使うとボディの汚れが表面に浮き出てくるので、冷水よりもきれいに洗い上がります。
ただし、寒いからといってホカホカの熱いお湯をかけるのは絶対にやめましょう。車に熱湯をかけると、急激な温度変化で窓ガラスが膨張して割れてしまう恐れがあります。洗車に使用するのは、ぬるま湯がベストです。
正午~日中の時間帯に洗車しないほうがいい理由
ここまでご覧いただいたとおり、洗車のベストタイムは季節によって変動しますが、反対に洗車に不向きな時間帯はどの季節も共通しています。
すでにお気付きかと思いますが、「正午~日中」は1年を通じて洗車を避けておきたい時間帯です。
では、なぜ正午~日中の洗車が良くないのか、こちらも理由を確認しておきましょう。
ウォータースポット&イオンデポジット
マイカーを手に入れて間もない方や、車に関する知識があまりない方は、「ウォータースポット」「イオンデポジット」と聞いてもいまいちピンとこないかもしれませんね。「ウォータースポット=水遊びができる場所のこと・・・?」なんて思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ウォータースポットもイオンデポジットも、どちらも車のボディ表面で起こるトラブルのことです。洗車を正しく行うためにも、まずはこの2つがどういう現象なのかを理解しておきましょう。
車のボディにこびりついた”白い鱗状の水垢”のこと。洗車後のボディに残った水分が蒸発し、ミネラルなどの不純物だけがボディに残ってしまった状態です。
ボディ表面に空いたクレーター状の小さな穴のこと。イオンデポジットが進行して塗装の内部にまで浸透したことで、表面が陥没している状態です。
イオンデポジットは水道水に含まれるミネラル成分のほか、空気中の花粉や黄砂、排気ガスといった様々な汚れが要因となって付着すると言われていますが、もっとも大きな要因は洗車です。
特に夏場のような日差しが強く気温が高い時期の正午~日中の時間帯に洗車すると、水分があっという間に蒸発してしまい、せっかくきれいに洗っても水分を拭き取る前に乾いてシミになってしまいます。
夏場に限らず、春や秋、真冬も、日差しが強い時間帯の洗車は要注意。
中でも寒さのせいでつい拭き上げが甘くなりがちな秋から冬は、夏場より多くのシミができてしまうこともあるのです。
熱中症
熱中症は夏特有の症状だと思いがちですが、実は春や秋にも熱中症にかかることがあります。
近年は地球温暖化の影響により、世界中の平均気温が上昇しています。日本でもゴールデンウィーク頃になると日中の気温が30度近くになる日があったり、9月を過ぎてからも厳しい残暑が続いたりと、ここ数年は昔と比べて暑さを感じる日が多くなっていますよね。
そうかと思えばいきなり雨が降って気温が急激に下がったり、また一気に暑くなったり・・・と、気温が安定しないのも日本の春・秋の特徴です。
そして、実はこの寒暖の差が熱中症のリスクを高める要因の一つでもあります。なぜなら、人間の体は気温が変化してから数日経たないと、体温調節機能がうまく働かないのです。
そのため、いきなり気温が高くなる日があると、体が反応できずに熱中症にかかりやすくなってしまいます。特に洗車中は、休憩や水分補給といった熱中症対策を忘れて目の前の作業に没頭してしまいがち。自分では気付かないうちに症状が進行していた・・・なんてこともあり得ます。
熱中症の倦怠感や頭痛、めまいといった症状はすぐには治まりません。当然、洗車作業も続行は不可能ですから、ボディに残ったままの洗剤や水滴はシミになって残ってしまいます。
日中の洗車は、体にも愛車にもダメージが大きいのです。
洗車の時間帯Q&A
さて、ここからは、洗車の時間帯に関してのよくある質問にお答えしていきたいと思います。
洗車のタイミングにまつわる悩みや不安は、ここでスッキリ解決しておきましょう!
Q.夜の時間帯に洗車しちゃダメってホント?
季節を問わず、夜間の洗車はできれば避けましょう。
その理由は、以下の2つです。
- 仕上がりに影響が出る
- 虫が寄ってくる
暗いところでの洗車作業は、当然のことながらよく見えません。車庫の中など照明がある場所でも、影ができて見えにくいところが出てきます。
そんな状態でいくらきれいにしようと張り切っても、洗い残しや拭き忘れが増えるだけ。しっかり洗い上げたつもりでも、翌朝見たらイマイチだった・・・なんてことになりかねません。
また、夏の夜に煌々と明かりをつけて作業をしていると、様々な虫が集まってきて洗車の邪魔をします。
虫が苦手な人はその光景を想像しただけでゾッとするのではないかと思いますが、実はもっと恐いのは車のボディに虫がとまること。白系の車なら虫がついてもすぐわかりますが、黒系の車はほぼ見えません。そのため、最後の拭き上げを行う際に、虫まで一緒に拭き上げてしまうことがあるのです。
拭き上げの最中にクロスをふと見ると、黒っぽい線状の汚れがついていたりしますが、その正体はほぼ虫の残骸だと思って間違いないでしょう。そのまま同じクロスを使い続けると、せっかくきれいに洗ったボディのあちこちに虫の残骸が付着してしまいます。これは虫が苦手な人でなくても嫌ですよね・・・。
洗車を行う時間帯に決まりはありませんが、こうした残念なハプニングを避けるためにも、洗車は明るく作業がしやすい時間帯に行うことをオススメします。
Q.夏場の洗車は特に時間帯が大事ってホント?
よく晴れた夏の青空を見上げていると、無性に洗車がしたくなったりしますよね。気温が高い日は、水を使う作業も心地良いでしょう。太陽のおかげで面倒な拭き上げもスムーズに終わりそうな気もします。
しかし、そのままノリと勢いだけで洗車を始めてしまうのは危険です。
先述したとおり、夏の日中の洗車はご自身の体にとっても愛車にとっても良いことは何もありません。自分もボロボロ、愛車もシミだらけ。これでは洗車の意味がないですし、病院代や修理費用がかさむだけです。
そんなことにならないためにも、夏に洗車を行う時は洗車効果が高いタイミングをしっかり見極めましょう。洗車にもっとも適した時間帯は、まだ太陽が完全に昇っていない早朝や、気温が下がって少し涼しくなる夕方。どんなに気分がノッていても、それ以外の時間帯の洗車は基本的に避けたほうが無難です。
Q.冬の洗車で避けた方がいい時間帯は?
冬に洗車をする場合、避けておいた方がいい時間帯は早朝です。
特に北日本では、夜間から早朝にかけて気温が氷点下を下回り、水道が凍ってしまう地域も少なくありません。水が出ないのでは、そもそも洗車どころではないですよね。
さらに、水道が凍るほど寒い日には車のボディの温度も低くなっており、水をかけると表面に薄い氷の膜ができることも。その上からスポンジを滑らせると、固い氷でボディが削られて傷がついてしまいます。
また、これは冬場に限ったことではありませんが、早朝の洗車はご近所トラブルの元にもなり得ます。周囲が静かなぶん、ホースから水を出す音や洗車道具を出し入れする音が家の中にまで聞こえてしまうのです。
自宅の庭や車庫で洗車をしているという人は、近隣の迷惑にならないよう日頃から時間帯に配慮して作業を行うようにしましょう。
Q.その他、特に避けたほうがいい洗車タイミングは?
- 強い日差し
- 高温
- 強風
これは洗車効果を大きく下げる三大原因です。
日差しが強い日は水分が早く乾くため洗剤や水滴がシミになりやすく、ボディが高温になる暑い日はワックスやコーティング剤の皮膜が固まってムラができやすく、そして風の強い日はボディについた砂やホコリが傷の原因となってしまいます。
また、このような環境下では、洗車するほうも大変ですよね。洗車が原因で体調を崩したり、ケガをしたりする恐れもあります。
楽しいカーライフは健康あってこそ。洗車はリスクを背負ってまでするものではありません。
季節を問わず、洗車を行う際には天候とよく相談することが大切です。「今日は暑くなりそうだな」「風が強いかな」そう感じた場合は無理をせず、次の機会に見送りましょう。
まとめ
さて、いかがでしたか?今回は洗車に適した時間帯とそうでない時間帯、そしてそれぞれの理由や注意点などを詳しくご紹介しました。
お伝えした内容をまとめると、洗車を行うのに最適なタイミングは、
- 時間:季節を問わず朝~お昼前(※地域にもよる)
- 気温:暑すぎず寒すぎず快適に過ごせる気温
- 天気:曇り~晴れ(※日差し・風が強すぎる日はNG)
反対に洗車に適さないタイミングは、
- 時間:季節を問わず正午~日中・夜間
- 気温:暑すぎ・寒すぎ
- 天気:日差しが強い・風が強い
ということになります。
「気温○度以上は不可」「風速△m以下が望ましい」といったような厳密な決まりがあるわけではないので、最終的にはご自身の判断となりますが、もっとも重要なのは「洗車が自分の体や愛車に負担を与えない環境」であるかどうか。そこさえおさえておけば、1年を通してベストタイミングを見極められるでしょう。
もし悩んだ時は、この記事をじっくり読んでおさらいしてみてくださいね!