原因もわからず、自分で少し掃除や手入れをしてみたのですが、あまり効果がありません。おすすめのワイパーゴムの掃除方法があれば手順・道具なども知りたいです。
ワイパーゴムは、正しく手入れ・掃除をする必要があります。
今回はワイパーゴムの手入れの手順や必要な道具のほか、効き目を長持ちさせる方法もお伝えしますので、良好な視界を長く保てるようにメンテナンスしてみてください!
ワイパーゴムも手入れが必要!汚れの原因とは?
ワイパーの拭き取りが悪い
ワイパーで拭き取った後に筋が残ってしまう
そんな時は、ワイパーゴムが汚れているのかもしれません。
多くの場合、ワイパーゴムの手入れが不足しています。ここではまず、汚れの原因について確認しましょう。
汚れの原因は砂やホコリ
ワイパーゴムの汚れの原因は主に砂やホコリです。
特に、フロントガラスのワイパーのゴムが劣化したり汚れたり、拭き取りが悪くなるのは砂やホコリが大きな原因となります。季節によっては花粉や黄砂なども含まれます。
フロントガラスの主な汚れがホコリや砂なので、その汚れが付着したガラス面をワイパーで拭き取ることにより、ワイパーゴムも汚れます。
フロントガラスがワイパーゴムを汚し、汚れたワイパーゴムでガラス面を拭き取ると、その汚れがフロントガラスに付着して拭き取りが悪くなるため、悪循環と言えるでしょう。
つまり、ワイパーゴムは定期的にメンテナンスや手入れ・掃除を必要とします。
汚れがフロントガラスを傷つけることも
汚れたワイパーを動かすことは、異物を挟んで動かしているのと同じです。ガラス面にゴム部分が密着しなくなるわけですから、もちろんフロントガラスの性能は落ちてしまいます。
それだけではありません。ワイパーゴムとフロントガラスの間に異物が挟まった状態でワイパーを動かし続けることにより、ゴムの寿命を縮める原因にもなってしまいます。
さらに言ってしまえば、砂粒がフロントガラスを傷つけることもありますので、汚れがフロントガラスを傷つける前にワイパーゴムの手入れをした方が良いでしょう。
ワイパーゴムの手入れにあると便利な道具
ここでは、ワイパーゴムの手入れの際に用意しておくと便利な道具をご紹介していきます。
より効率的に・より効果的にワイパーゴムの手入れをするためにも、可能な限り手入れ前に用意しておくようにしましょう。
普段の手入れは洗車グッズでOK
結論、普段の手入れは洗車グッズを流用することで対応可能です。
ワイパーゴムの汚れは基本的に洗車と同時に落としてしまってOKです。具体的な道具についてもこの段階で特別なものを用意する必要はなく、カーシャンプーやスポンジなど、基本的な洗車グッズで問題ありません。
定期的に行う普段の洗車のタイミングに合わせて、ワイパーゴムも洗い流してあげるイメージです。どちらかと言うと普段から定期的に洗車をすることにより、結果的にワイパーゴムの品質低下や劣化を防ぐことができるという考え方です。
なお、元・洗車マンがおすすめする洗車グッズは以下のページで紹介していますので、併せてチェックしてみてください。
汚れが気になる時は専用クリーナーを使ってみよう
ワイパーゴムの拭き取り性能が極端に低下している場合や、特に汚れが気になる時には通常の手入れにプラスして「専用クリーナー」を使ってみるという選択肢があります。
まずは第一段階として車体と合わせてワイパーゴムを洗ってしまい、その後で専用クリーナーを使うといった二段構えのイメージです。
例えば花粉や黄砂が飛んでいる時期などは、砂やホコリ以外でワイパーゴムが汚れてしまうケースがあります。
そんな時は市販のワイパーゴムクリーナーを使うと良いでしょう。イチネンケミカルズの「クリンビューワイパーゴムクリーナー」は、汚れの再付着も防いでくれる便利なアイテムです。
ワイパーゴムの掃除方法3ステップ
洗車と同時に、ワイパーゴムを掃除する方法をここでは3つのステップで解説していきます。
正しく手順を踏むことにより、より効率的・効果的にワイパーゴムを掃除することが可能となりますので、ぜひやってみてください。
ステップ1:まずは水洗い
まずは水洗いを行います。洗車の最初に行う水洗いの際に、ワイパーゴムにも注意を向けて水洗いを行いましょう。
車体をメインとして水洗いをすると「車体にかけた水がワイパーゴムにかかる」といった程度の手入れになってしまうことが往々にしてあります。これではワイパーゴムに付着している頑固な汚れは落とせません。事前にワイパーゴムもしっかり水洗いを行うことが、この後のステップに活きてきます。
ただし、高圧洗浄機などで発生する強い水流をワイパーゴムに使用するのはNGです。なぜなら高圧洗浄機などは極めて水流が強く、水圧をモロに受けた場合ワイパーアームが曲がってしまったり、ブレードを痛める原因になりかねないからです。
ステップ2:汚れを拭き取る
続いてのステップは汚れの拭き取りとなります。水洗いをした後、シャンプーをつけた洗車スポンジで片面ずつワイパーゴムを拭きましょう。
このあたりは一般的な洗車と変わりありませんが、特にワイパーはブレードも含めてとてもデリケートな部品となりますので、優しく汚れを拭き落とすことが重要です。
ステップ3:すすぎ洗いする
最後のステップですすぎ洗いを行いましょう。カーシャンプーの成分を残らず洗い流すイメージで、たっぷりの水ですすぎ洗いすることが重要です。
この時、注意したいポイントがあります。
カーシャンプーの成分とゴムの相性にもよりますが、カーシャンプーの成分がワイパーやワイパーゴム周辺に残ってしまうとゴムの劣化を招く恐れがあります。これではせっかくきれいに洗っても、ワイパーゴムの劣化をかえって早めてしまうことになりかねません。
本末転倒にならぬよう「すすぎ洗いはしっかりめに行う」と覚えてください。
なお、この時も高圧洗浄機の使用はNGです。ワイパーに対して高圧洗浄機の水流は強すぎます。
ワイパーゴムを手入れする時の注意点
ワイパーゴムを手入れする時、どのようなポイントに注意すれば良いでしょうか。
ここでは、ワイパーゴムを傷めてしまわないように押さえておきたい手入れ時の注意点を解説します。
特に難しいものはありませんが、ワイパーゴムを正しく手入れするためにもこのポイントを押さえておく必要があります。
ゴシゴシこすらない
ワイパーゴムは「ゴシゴシこすらない」を大原則としてください。
理由はとてもシンプルで、ワイパーゴムはデリケートな部品であるため、ゴシゴシこするとそれだけ傷むのが早くなってしまいます。
また、ワイパーゴムを掃除している時、スポンジや雑巾が黒くなるケースが見られます。これを汚れと勘違いして強めに拭き取ってしまうケースがあるのですが、こちらも要注意です。
ワイパーゴムを掃除していて、何度もスポンジや雑巾に付着する黒いものは、実は汚れではありません。耐候性を高めるための「カーボン」という成分によるもので、ワイパーゴム由来のものとなります。
「黒い=汚い」と思って強く擦るとゴムそのものが物理的にすり減って、ワイパー本来の機能が損なわれてしまうので注意しましょう。
掃除しすぎも逆効果
ワイパーゴムをより長持ちさせて性能を保つなら、頻回に掃除をするのがベストなのではないか?と思う方も多くいらっしゃるでしょう。
しかし、正解はそうではありません。掃除し過ぎもまた「逆効果」となってしまいます。
頻繁に掃除するということは、それだけ物理的にワイパーゴムを擦ることになります。ご存知の通り、ゴムは擦りすぎると摩耗して劣化が早まる原因となります。
明らかに汚れがついてしまった場合以外は、基本的に月1~2回の洗車の際に同時に手入れをするだけで十分です。
グラファイトワイパーは拭かない
グラファイトワイパーは「拭かない」のが基本です。
通常のワイパーゴムに炭素の微粒子が表面にコーティングされているものは、グラファイトワイパーと呼ばれています。このグラファイトワイパーは、スポンジやウエスで拭いてしまうと、表面のグラファイト加工まで剥がれてしまいます。
何事もコーティングは剥がしてしまうと良くありません。つまり、グラファイト加工まで剥がしてしまうと、製品の寿命を縮める結果となります。
グラファイトバイパーの場合は、付着したゴミを払う程度にとどめましょう。
また、ガラスクリーナーやアルコール類が付着すると変形・変質するおそれもあるのでこちらも使わないのがベターです。ガラスクリーナーをガラス面に使用した場合も、ガラスクリーナー成分がワイパーに付着しないようにしっかり拭き取ってからワイパーを動かすようにしましょう。
ワイパーゴムを手入れしても効果がない時は
「ワイパーゴムを手入れしてみたけれど、やっぱり拭き残しが気になる」といったように、手入れの効果が見られないケースもあります。
こんな時に考えられる原因と、それぞれの対処法を解説します。
ワイパーゴムが劣化している
そもそもワイパーゴム自体が劣化している可能性があります。
ワイパーゴムが見るからに固くなってひび割れていたり、ちぎれたりしているのを見かけたことはないでしょうか。
この場合はワイパーゴムの劣化が発生しています。ワイパーゴムが劣化するとガラス面にフィットしなくなり、拭きムラが発生する原因となります。
このように明らかにワイパーゴムが劣化してガラス面にピタッと寄り添わない状態の場合は、手入れというより「交換」が必要となります。一般的なワイパーゴムの交換時期は1年に1回程度が目安です。
ワイパーブレードが劣化している
ワイパーゴムを手入れしても状態が改善しない場合、ゴムというよりワイパーブレードが劣化している場合もあります。
ワイパーブレードはワイパーゴムを支える部品です。ブレードそのものに歪みが発生したりサビがあると、ワイパーゴムがガラス面に密着しないことが起こりえます。この場合も同様に、拭き残しができる原因となります。
ワイパーブレードが劣化している場合も交換を検討しましょう。一般的なワイパーブレードの交換時期の目安は2年から3年に1回程度です。
フロントガラスに汚れが残っている
ワイパーゴムやブレードに異常がないのにフロントガラスの汚れが解消できない場合、フロントガラスに汚れが残っているケースもあります。
仮にワイパーゴムを綺麗にしても、フロントガラスに頑固な汚れが固着しているとワイパーゴムの本来の性能を発揮できません。
例えばフロントガラスに油膜がついている場合、拭き残しが発生する可能性があります。油膜は普通に洗車しただけでは落ちにくいため、油膜落とし専用のクリーナーを使うことが求められます。
ワイパーゴムを長持ちさせる使い方
ワイパーゴムの劣化を防ぐために、ご自身でできることがあります。
ここではワイパーゴムの劣化防止対策として、定期的な手入れと併せて行っておきたいことをご紹介します。
運転前にワイパーの固着を取り除く
夏の高温時、冬の低温時などは注意が必要です。ワイパーがフロントガラスに固着している可能性があるからです。
ワイパーの固着とは
例えば、夏は高温でワイパーのゴムが柔らかくなりすぎて、ガラス面に強く密着してしまいます。冬の気温が低い時にはゴムが硬くなってしまい、これもまたワイパーがフロントガラスに強く密着して剥がれづらくなる原因になります。
このように、ワイパーゴムは意外と気温の変化にも弱いのです。
ワイパーがフロントガラスに固着した状態で無理に動かすとゴムが破損してしまうので、運転前に取り除くと良いでしょう。
車を使わない時はワイパーを立てておくか、ワイパースタンドを使用するのがベターです。
フロントガラスが乾いた状態でワイパーを動かさない
ワイパーゴムを長持ちさせるなら、フロントガラスが乾いた状態でワイパーを動かさないのも重要です。
「あまり意識したことがない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、フロントガラスが乾いた状態でワイパーを動かすとワイパーゴムとフロントガラスの間に水分がありませんので、ゴムの摩擦抵抗が大きくなります。
ということは、それだけ乱暴にゴムをこすっているのと同じですから、ワイパーゴムの劣化を早めてしまいます。
フロントガラスが乾いている場合は、先にウォッシャー液で濡らしてからワイパーを動かすようにすると摩擦抵抗が少なくなり、ワイパーゴムへの負担を減らすことができます。
まとめ
ワイパーゴムは、車体同様に定期的な手入れが必要です。
洗車の際にワイパーゴムにも目をかけて手入れをすることにより、本来の拭き取り性能を再び発揮できるようになります。
また、ワイパーゴムやブレードは消耗品となりますので、定期的な交換も検討するようにしたいところです。
ワイパーゴムの手入れグッズや手順について確認し、快適な視界を保てるようにしましょう。